FOOLの大将放浪記(28)「昇仙峡と温泉とハイジ紀行」



FOOLの大将放浪記(28)「昇仙峡と温泉とハイジ紀行」
 オイラは基本的に伊達と酔狂で生きている。 それは自由を愛し、行き当たりばったりを楽しむコトに似ている・・・。

 オイラは、机にしがみついて仕事をするのが実は嫌いだ。 1時間も座っていると姿勢は崩れ、下手すれば椅子の上で胡座をかき、原稿を書いていたはずなのに、いつの間にかトマトのリコピンについてグーグルで検索して、その次にネット麻雀をしていたりする。

 そう、そうなのだよ。 オイラは何処かへ出掛けるコトが大好きだったのだ。 そういう結論へ急に至ったオイラは、机上にペンを投げ捨て、小さいバッグに着替えだけを詰め込んで、車に乗り込んだのであった。

 勿論、流浪を嗜む愚者というタロットカードの属性を持ったオイラは、山梨の方にぐらいしか考えておらず、宿なんか予約してねえ。(笑) とりあえず箱根を越え、富士山に向かって走っていったのであった。

 山中湖、河口湖の脇を通り過ぎ、御坂峠を抜けて石和へ抜け、とりあえず休憩のために脇道へ入って車を停めた。 この時期の一宮は桃の花が満開で、景色を眺めたり写真を撮るのに適しているんだよ。 オイラは、この一宮の桃畑の中にある神社の石段で、桃の花を眺めながら持ってきた握り飯を食ったさ。 さすがに酒ではなく茶を飲んだけれど、贅沢なヒルメシとなったよ。

 一息ついたオイラは、まずロードマップを眺め、とりあえず昇仙峡へと行ってみようと思い立ち、車に乗り込んで出発したのであった。

 中央高速を通り、市街地を抜けて、着いたところは昇仙峡の入り口となる長潭橋(ながとろばし)だ。

 ここは大正14年から昇仙峡の玄関口として有名なアーチ橋で、桜や紅葉の時期にくると、結構良い写真が撮れるらしいんだ。 この写真は袂(たもと)の土産物店から撮ったんだけれど、そこから眺めた具合がなかなか良かった。 ついでに土産を買って、店主のおばちゃんと話し込んじゃったよ。(笑)

 その後、またもや車に乗り込み昇仙峡沿いの渓谷道路へ。 ここは本来ならば馬車に乗ってゆったりと上まで登っていくトコロなんだけれど、今回は車が乗り入れることが出来る時間帯だったんで、ゆ〜っくり走っては所々に車を停め「〜〜岩」とか「〜〜橋」とかを沢山楽しむことが出来たよ。 

 でもさ、あの渓谷の風景の中に、桜やミヤマツツジが飾るように咲き、木の枝に萌える若葉の色が、谷間を風情ある景観にしていたよ。 

 渓谷道路を上る途中、二回ほど下ってくる馬車とすれ違ったんだけれど、なかなか良さそうな雰囲気で、次回はオイラも乗ってみたくなったよ。

 渓谷道路からグリーンラインへ戻ったオイラは、昇仙峡の入り口でおばちゃんから聞いた「影絵の森美術館」へ。 確かこの影絵って、NHKとかで使われていたものだったはず。 正直に言って、中に入るまで、この美術館はダサイものだと決めつけていたんだけれど、入ってみてビックリ、緻密な技術によるデザイン性と、まるで祈るような雰囲気に圧倒され、言葉もなく、じっくり見てしまったよ。 ここは絶対はずさない方が良いと思う。 

 トコロで今回、オイラが好きな放浪の画家「山下清」展も同時開催されていて、箱根の彫刻の森美術館で見た時の感動を思い出すことが出来たよ。

 そういえば今回、オイラは宿を決めていなかったのだ。 とりあえず影絵の森からハイジの村方面へと進むためにロードマップを開いたところ、その近くに温泉のマークを発見したんだわ。 そこにはラジウム温泉と書いてあって、何となくその辺りを探せば、泊まるトコロぐらい何とかなる気がしたんだわ。

 んで早速、NTTの104番へ電話し、担当のオネーちゃんに「山梨県の〜増富温泉の宿泊施設を教えて下さい」とお願いしたところ、増富温泉にある旅館を教えてくれたんだわ。 オイラは早速そこに電話したんだけれど、生憎その日は満室でさ、従業員の人からそこからちょっと離れたところにある湯治施設を紹介されたんだわ。

 そこは日帰り温泉施設と簡易宿泊施設がグループになっているところで、電話番号を調べて電話したら、ラッキーにも丁度空きがあると言われ、その場ですんなりと宿を確保することが出来た。 オイラはいつもこんな調子で、行き当たりばったりの旅先でも宿の心配をしたことがない。(笑)

 そんなこんな経緯でオイラが着いた場所は、「日帰り温泉施設・増富の湯」だ。 ここはさっき宿泊予約を入れた「みずがき山リーゼンヒッテ」と同じ(財)みずがき山ふるさと振興財団が運営しているんだけれど、ラジウム鉱泉かけ流しで、各種マッサージや入浴指導なども徹底しているらしかった。 一瞬、マッサージをこってりして貰おうかと思ったけれど、今回はビンボー旅行なので涙を飲んで断念したよ。(笑) そのかわり中の温泉を1時間かけて堪能し、じっくり癒されたのは言うまでもない。

 さて、湯に入って新品同様になったオイラは、その日の宿である
「みずがき山リーゼンヒッテへ向かった。 この施設、この温泉施設よりさらに山奥に入った場所にあるんだけれど、正直言って「本当にこんな山奥なのか?」的なコトを考えてしまう道路の先にあった。 施設は清潔で問題はないのだけれど、ハッキリ言って、山奥の一軒宿とでも言い換えた方が良いかもしれない。 

 部屋に案内され、くつろいだオイラは、TVの下に奇妙な文面のシールが貼ってあることに気が付いた。 上にある写真の下側をよく見て欲しい。

 「BS 7、11のみ放映」 

 そう、NHKの衛星放送以外のテレビは受信できないのだ!! オイラは恐る恐る携帯電話を見た。

 「圏外」

 やはり予感は当たった。 携帯もテレビも入らない宿だったのだ!!

 実は山の麓から増富の湯に向かう手前、嫌な予感がしてコンビニへ寄り、バーボンとツマミと小説を数冊、夜に備えて買っておいたのだけれど、その予想が見事当たったのだよ。

 まあ、正直言って充電旅行だし、じっくり大酒を飲みながら読書しようと思っていたんで、かえって良いぐらいの外界との隔絶具合だったんだけれどね。(笑)

 あーそうそう、この後、食堂に用意された夕食を食べたんだけれど、山のモンや珍味がとても美味かったんだよ。 山奥の温泉場とかに泊まると、なぜか山奥の筈なのに海のモノが出てきたりしてガッカリすることが多いんだけれど、この宿は山の美味珍味と岩魚って構成で、スゲー美味かった。 オイラ的にはアタリの宿だったかも知れない。(笑)

 そんなワケで、その後、宿の風呂にもう一回入り、バーボンをストレートでチビチビ飲みながら、夜は更けていったのであった・・・。

 旅行二日目は、朝の細雪から始まった・・・。

 昨日の夜中、酒をじっくり味わっている頃、外で雨の音が聞こえていたんで降っているのは知っていたんだけれど、まさかそれが細雪に変わっているとは思わなかったよ。

 まあ、雪とは言っても、地面に落ちた瞬間に溶けてしまう季節になっていたんで心配無いと判断し、オイラはそのまま朝食を食べに食堂へと向かったさ。 

 で、やっぱし雪は食べている間にあがり、部屋に帰ったそのまま荷物を整理して、フロントで精算し、出発となった。

 そういえば昨日は気付かなかったが、宿から下る途中にまだ残っている雪渓(?)を発見。 冬の時期に沢山降って、日陰のこんなトコロに今まで残っていたらしい。 うーん、確かに冬季は休業しているし、今回の宿って結構山深い場所だったのね。^^;

 さてさて、オイラがその次に向かったのは、最近山梨県山梨県北杜市に開園した「ハイジの村」だ!

 正直に言うと、テレビでハイジの再放送がある度に泣きながら観てしまうオイラとしては、今回の旅行では外せないスポットだったのだ。 入り口にはハイジが立っており、オイラもつい、三脚を立ててハイジと記念写真を撮ってしまったのは言うまでもない。 三十路男がハイジと記念写真を撮っているのは異様な光景だったが、午前10時で人が少なかったし、旅の恥はかき捨てなので良いだろう。(笑)

 記念写真の勢いでチケットを買ったオイラは、ワクワクしながら内部へと潜入した。 そこは写真のようにハイジの舞台になったマイエンフェルト村をイメージした造りになっており、スイスのような町並みが広がっていた。

 オイラはまず塔に登り、全体を見渡してみた。 全体としては綺麗にまとまっていて、家族連れが半日ぐらい遊ぶには良さそうな印象だ。 事前に調べていたトコロによると県から民間に運営が変わったらしく、ただのフラワーセンターではなくなり、ちゃんと統一性のあるテーマパークとなっていたよ。

 その塔の下には温室植物園や輸入物のガーデニンググッズや花を扱うショップがあり、オイラが行った時は、丁度洋蘭が綺麗だったよ。 外の庭園はパンジーとチューリップが満開で、花が楽しめるスイスっぽい植物は少なかったが、それなりに景色は良く、沢山の花が楽しめ、山羊もいて面白かった。 そういえば公園の中程には、噴水で虹が見えるようになった池があるので、午後にここへ行ったなら要チェックだ。

 オイラが広場に戻ると「ハイジの村の村長さん」がいて、来園する人々に話しかけているところだった。 この村長さん、ハイジの村で何処が見所になっているかとか、ここが楽しいとか、この馬車は100年前のモノだよとか、色々なことを教えてくれるので、もしここに出掛けた時に出会ったら、是非、「村長さん!」と呼んで話しかけてみてくれ。(笑) 

 ここでの土産は、ハイジグッズというのは言うまでもないが、それ以外にもデルフリ村のパンやさんで売っている「白パン」とかもお奨めだ。 ハイジのテーマ館では、あのオープニング曲のハイジがブランコに乗っているシーンがジオラマで再現されていたよ。(笑)

 そんなこんなでバシバシ写真を撮って楽しんだオイラは、次の目的地へと向かったのであった。

 中央高速に乗り、着いた先は勝沼にある「葡萄工房ワイングラス館」だ。 実はオイラ、新しい小振りなワイングラスが欲しくなっちゃってさ、ここに買いに来たってワケさ。 

 今回オイラが買ったのは、ピルスナー型のワイングラスで、周りには葡萄の絵付けがされているやつだ。 そんなに高いモノではないけれど、これにロゼワインを注いで飲んでみたいと思ったさ。

 次にオイラが向かったのは「勝沼 ぶどうの丘」だ。 やはりワイングラスとくれば、その次には中身だべぇ。(笑)

 ここは、勝沼の葡萄畑に囲まれた小高い丘にあり、勝沼で生産されるワインの試飲が出来る、国産ワイン好きにとっては有り難い場所なのだ。

 ここの地下はワインカーヴになっており、上のレジで試飲容器タートヴァン(¥1100)を買うと、そこにある銘柄全てを味見できるんだ。

 味見といっても馬鹿にしちゃいけない。 基本的に量が決まっているワケではなく、「貴方の呑める限りよん♪」という感じなのよ。 つまり、その気になれば好きなだけ呑めるのだ。 まあ、試飲だし、全銘柄を味わって試すんだったら、口に含んで味見してディスポーザーへ出すのが正解なんだけどね。(笑)

 今回、オイラは車だったんで、涙を飲んでワインは飲み込まずに味と香りをみるにとどめたよ。 今回、オイラが買ったのは、山梨ワイン醸造の「新酒ピオーネ」だ。 このワイン、食前酒に使うととても良いんだよね。 このワインの丘に来る度に買ってしまう。(笑) 他にも美味しい銘柄もあったけれど、悩んだ末、このデザートワインだけにしたよ。

 ところでこのワインの丘には、「希望の鐘」ってのがあってさ、そこには「願いを叶えてくれます」とあるんだ。 オイラはこういう鳴り物は好きなんで、しっかりと鳴らしてきたよ。 近くには酒精バッカスの石像もあり景色も良いんで、ぶどうの丘へ行ったら、立ち寄ってみてくれ。

 その次にオイラが向かった先は、マンズワイン勝沼ワイナリー見学だった。

 まさに「まだ行くんかっ!」って勢いだが、オイラとしては行くのである。(笑) 

 このワイナリー、見学は無料で平日に行くと生産ラインの方もガイド付きでしっかりと見学させてくれるんだ。 オイラが行ったのは日曜日だったんで工場は止まっていたんだけれど、ガイドさんに色々な話を聞くことが出来たよ。

 トコロでヤッパリ、ここもワイナリーというコト(笑)で、オイラお楽しみの試飲コーナーがあったのだ。 しかもこのワイナリーはバス旅行ルートなので人が沢山いた。 実は今回、「ワイナリーでしか売っていない美味いワインがある!」という情報があり、ここに来たんだよ。 探してみるとあったあった! ド真ん中に。(笑) 早速、オジチャンオバチャンをかき分けて試飲してみた。

 このワイン、「マスカット・オブ・マスカット」って言うんだけれど、マスカットの芳香が爽やかで、なかなか美味かったよ。 そのまま誰にも奪われないように瓶を抱きかかえて、レジに持って行ってしまったぐらい美味かった。 オイラって、イタリアワインで言えば「ガヴィ・デ・ガヴィ」みたいな辛口か、逆にこういうフルーティーな甘口が好きなんだよな。^^; 

 そんな感じでまたもやワインをGETし、ワイナリーを後にしたオイラは、来た道と逆ルートを辿り、家の方向へと走っていったのであった。

 しっかし、今回も楽しい旅行になったよ。 やっぱり行き当たりばったりの小放浪はやめられねぇなぁ。(笑)


(最終更新2006/04/20/Thu/23:25:48)






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