恋愛と言ふもの…(2)



第1話


その娘に初めて会ったのは夏休みの物語……

ある夜、彼は友人からの電話を受けた。
「実はさ、
 知り合いの女のコ2人とドライブ行く事になってさ。
 もしよかったら行かないか?」
彼は2つ返事でOKした。
はやる気持ちで前夜なかなか寝つけなかった。
「どんな娘(こ)が来るんだろう…。」

当日も早起きし、待ち合わせ場所で時間を潰した。
友人の車はすぐ現れ、それに乗り込み自己紹介をした。
それが長い物語になるとは思いもせず。

彼女は後ろの席に座っていた。
けして美人ではないが、安心する感じの、陽射しの匂いのする娘だった。

海に向かう車の中、色々な話をしたよ。
彼女が今いない事、今やってる仕事、今日の行き先とかさ。
一緒に地図を見た時、一瞬顔の近さに驚いて、
引っ込めた後また近づけてきた仕草に彼女のウブさを感じた。

友達の車で、岬の灯台までドライブして、夜花火をしたんだ。
使い捨てカメラで写真とってさ、いい感じに思えたんだよね。
花火の後、電話番号聞いたんだよね。

次の日から電話攻撃さ。
「明日現像が上がるから、渡したいな。」みたいにさ(笑)
彼女もはにかんだ感じで話してたっけ。
その時次のデートのお願いしたよ。

to be continued


(最終更新2004/08/06/Fri/21:57:03)



第2話


告白したのは朝焼けが香る海だった。

「俺と付き合ってくれないか?」

彼は前の日に彼女を誘い出し、朝まで車でドライブした。
色々な話をしたよ。
いままでの事、思っている事、時計を持たない事とかさ。

そして朝まで海岸線を走り、
海沿いのパーキングエリアで海を見ながらだった。
彼女は嬉しそうな笑顔で答えた。

「あなたに時計を買わなきゃね。」

夏が終わる頃には、もう二人で擦り切れたスニーカー履いて街を歩いていた。

to be continued


(最終更新2004/08/06/Fri/21:57:15)



第3話


遊園地が好きだった…。

ゴーカートで競い合い、
バイキングで荒波を乗り切り、
ジェットコースターで風を追い越した。
彼女はサンドイッチを作り、芝生で食べた。

空はピーカンに晴れ、
草の香りがする風が渡る。

夕方になると必ず観覧車で空に上り、
夕暮れの街を見ながらキスをした。

広場ではピエロがパントマイムをしていた。

メリーゴーランドはあの頃と同じように廻っているだろうか…。

to be continued


(最終更新2004/08/06/Fri/21:57:28)



第4話


夜が溢れ、カーラジオからブルースが流れていた。

仕事が忙しくなり、一人で星を見ることが多くなっていた。
ただ時間だけが過ぎ去っている…。

「ねえ、明日会えない?」

突然の言葉に違和感を感じた。

「わかった。」

答えたのはそれだけだった…。

駅で彼女を車に乗せ、夜景を見に行った。
彼女は泣きながら言った…。
そして彼は答えた…。

それからいつものように会話し、いつものようにドライブした。
いつものように彼女の家の近くに送り、声をかけた。

「またな。」

「うん。」

ただ一つだけ違った。

彼女の降りた後のナビゲーター・シートは、
もう2度と暖まることがなかった…。

end


(最終更新2004/08/06/Fri/21:57:42)






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