恋愛と言ふもの…(3)



第1話


a long long ago.....

出会ったのは、雨の日の午後だった。
本屋に画集の小冊子を買いに行った帰りの物語…。

僕は傘をさして街を歩いていた。

フラワーショップの閉じた店先で、
びしょ濡れのネコがダンボールに前足をかけ、僕を見ていた。

僕はネコに近づきハンカチで拭いてあげた。

「そのネコ、どうしたんですか?」

後ろから声がした。
驚いて振り帰ると、優しい顔の女の子がいた。

「なんか、可哀想でさ^^;」

僕は答えた…。
それからしばらく話をしてるうちに二人の気持ちはほぐれ、
ネコは彼女が連れて帰る事になり、
そして僕は、彼女の電話番号を知った…。

to be continued


(最終更新2004/08/06/Fri/21:58:11)



第2話


a long long ago......

再会したのは夜だった。
それは会社の帰り道の物語…。

仕事を終え、いつものように電車に乗り、
僕は家へ帰る途中だった。

電車に揺られる人々の目は死に、
映る景色は色褪せていた。
窓の外では街の灯が、切れかけた電灯のように点滅している。

ホームに着き、電車から人々が押し出されていく。
まるで工場のベルトコンベアーのように…。

街では、夜が溢れ、夕闇が流れ出していた。
それぞれの人が、帰りを待つ家への道を流れていく。

気が付くと、駅前のフラワーショップの前に僕は足を止めていた。
そこには、ネコを抱え優しく微笑んで待つ彼女がいた…。

「私、あなたの電話番号なくしてしまって…。」

「そうか…。僕も忙しくて電話できなかったしね。」

駅の時計はゆっくりと時を刻んでゆく…。

to be continued


(最終更新2004/08/06/Fri/21:58:24)



第三話


a long long ago......

それから僕等はたまに会って話すようになり、
ネコは留守番が多くなった…。

夏の海に花火を見に行った。
僕は煙草をくわえながら見ていた。
彼女は缶ジュースを手にもっていた。

花火は夜空に燃え上がり、
煌きながら消えていく…

何度目かの大きい花火の後、
僕は煙草を吸い終わり、
彼女は缶を隣に置いた。

次の花火が上がった頃、
お互いの体温を唇で感じていた…。

夏が来て、そして豊穣の秋がその後を追いかけてきた気がした。

to be continued


(最終更新2004/08/06/Fri/21:58:36)



第4話


a long long ago.....

秋の海が好きだった。

夜が舞い降りてくる前のほんの一瞬、
茜色の砂浜が…。

夕焼け空に海鳥が飛んでいた。

僕は彼女とテトラポットに座り、
二人で太陽が消えてしまうのを見ていた。

波の音が静かに辺りを包んでいる。

あの日拾った貝殻はどこにいったんだろうか…。

to be continued


(最終更新2004/08/06/Fri/21:58:48)



第5話


a long long ago.....

やがて冬将軍がやってきた…。
木枯しが街をすり抜け、遠くの空へ運んでいく。

突然吹いた風が別れの時を告げていた。
「未来が彼女を呼んでいる」と。

そして僕は彼女を駅で見送った。

「またね」

彼女は一言だけ小さく囁き、電車に乗った。
最後に彼女は僕の首にマフラーを巻いてくれた。
マフラーは暖かかった。

電車はホームを出て行く。
僕を残し、彼女の未来へと…。

電車が遠ざかる。

僕は二度と振り向かなかった…。

end



(最終更新2004/08/06/Fri/21:59:03)






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