第1話「アタシが貰われてきた日」



アタシが貰われてきた日
アタシが貰われてきたのは今から8年前の2月だった。
家でおかあちゃんと戯れてると、飼い主のおっちゃんが捕まえにきたの。
アタシは何かいやなカンジがして隅っこの方に隠れたの。
でも、逃げ切れなくて結局捕まっちゃった…。
飼い主の奥さんは「手放したくない」って言ってくれたのに、
おっちゃんは「ダメだ。約束したから」の一点張り!
結局移動ネコ小屋に押し込まれて車に乗せられちゃった。
飼い主の奥さんは丁寧に手紙を次の飼い主に書いてた。
確か文面は…

『FOOLさんへ
 この子は「キャラットの5つの味」しか食べません。
 缶詰のキャラットの場合はよくほぐしてあげてください。
 ミルクは毎週二回はあげてください。』

アタシは思ったの。

(ああ!なんていいことを書いてくれるんだろうこの奥さん!
 きっと天使の生まれ変わりに違いないわ〜(はあと))

ソレと同時にどこに貰われていくのか不安になった。

 いじめられなきゃいいなあ。
 やさしいといいなあ。
 いつも自由でいたいなあ。

そんな事考えてるうちにおっちゃんは車をスタートさせた。
住み慣れた家が遠くなっていく。
アタシは遠ざかっていくかあちゃんと兄弟のネコたちに手をふった…。

車は高速に乗り、スピードを出し始めた。
おっちゃんは奥さんに話し掛けていた。

お:「貰ってくれるって人は小田原なんだよ」
奥:「結構遠いのね」
お:「まあな。まあ、そこでよくしてもらえればいいね」
奥:「そうね。ウチでは飼いきれないし。」

話しているうちに車は高速を降り、
川沿いのゴルフ練習場の駐車場に入っていった。

ソコには、さっきFOOLだかウールだかいう人が待ってた。
何だかたいしたヤツじゃなさそうだ。
どうせならソリマチとかキムタクとかー、
それでもなかったらタケノウチみたいな
イイオトコに貰われたいって!
アタシはちょっとフクレテみたんだけどー。
でももうハナシは決まってるらしいし、
しょうがないってカンジー(ハ〜ッ…深いため息)

アタシは手渡される時、最後の抵抗をしてみたの。
FOOLを引掻いてやった(笑)

でも、コイツ全然動じなくて、そのまま窓のないダンボールに、
詰め込みやがった!

アタシはその時、
(あーアタシは貰われていくんだ…)
そう実感しちゃった…。
今までのキオクが走馬灯のよーに(思い出せるほど生きちゃいねえって!)
でもおかあちゃんネコに遊んでもらったり、
トイレの作法を教えて貰った事を思い出して少しカナシクなった。
モチロンBGMはドナドナドナ♪

「これからアタシはどうなっちゃうんだろう?タスケテー」

叫んで鳴いてみたけど人間にはニャーニャーとしか聞こえないみたい。
もしかしたらどっかに売られて食べられちゃったりとか、
東南アジアの売春宿に売られて働かされたりするのカナ?

そんな事思ってると外では人間達の会話が聞こえた。

F:「どうも有り難うございます。大切に育てますので。」
お:「いえいえこちらこそ貰っていただいて…。」
F:「これ、つまらないものですが。」
奥:「まあお酒!これってカミュじゃないですか。」
F:「もし宜しければ呑んでくださいm(、、)m」

どうやらアタシは酒と交換されたらしい…(T_T)

F:「今日はどうもありがとうございました。それではこれで。」

FOOL君はダンボール入りのアタシを抱え車に戻った。
そして車を発進させた…。
しばらく走った後、ナンカがさがさ音がする。

F:「そういえばこの手紙貰ったっけ。うー何々?」

『FOOLさんへ
 この子は「キャラットの5つの味」しか食べません。
 缶詰のキャラットの場合はよくほぐしてあげてください。
 ミルクは毎週二回はあげてください。』

F:「ゼイタクやな〜^^;」

そんな事ないって!ソレぐらい食べさせてくれるの当たり前ぢゃん!
飼い主の義務だって!

F:「さて、安いエサ買いにいくべ〜♪」

聞いてねえのか〜!
てめええええぇ〜!


アタシは必死で訴えたがFOOL君にはテレパシーは通じなかった(泣)
きっと悪魔の生まれ変わりに違いないわ〜(号泣)

そうして彼との共同生活は始まった…。

つづく…?

次のオハナシへGO!


(最終更新2003/03/01/Sat/01:53:34)






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